AMIP設立記念セミナープログラム
 

 

開会挨拶  14:00~14:20

◇ 開会挨拶      「AMIPの設立と目的について」

アドバンストメディカルIP株式会社
代表取締役 河相 光彦

講 演 会  14:20~17:00          座長 秦 順一

◇ 「実中研が創出したヒト化実験動物」
   公益財団法人 実験動物中央研究所 高橋 利一

ヒトで実施できないような実験で、動物実験から得られるデータから推定する作業を「外挿」と呼んでいます。実験に用いられる「実験動物」の開発とは、よりヒトに近いデータを得る事が出来る事を目指して、常に進化しつづけています。実中研の目指す「実験動物の開発」とは、開発動物による研究成果の公表にとどまらず開発動物を使った動物実験系や創薬の評価系の提案、ならびに、常に均質な実験動物を「生きたものさし」として提供し続けるための環境整備までを含んでいます。

◇ 「遺伝子改変動物を容易に作出できる自動化胚操作装置」
  公益財団法人 実験動物中央研究所 江藤 智生

バイオメディカルサイエンスの研究開発は日々進化しており、それに従い各研究に適した新たな遺伝子改変動物の継続的な作出が必要となります。また作出された動物は、顕微授精を介した経代や個体復元を行う事があります。遺伝子改変や顕微授精にはマイクロマニピュレーターが汎用されますが、操作対象の細胞は極めて小さく、1-10μm単位の作業が必要とされます。しかし、既存のマニピュレーターは手動であり、熟練者でなければ充分な操作は出来ず、基本操作を修得するには半年から一年の時間が必要です。 実中研と日本精工(株)の共同研究により開発した、総合胚操作システムは、マニピュレーションの自動化・電動化を実現し、簡易なトレーニングで、再現性のある胚操作が可能になりました。今までにマウスを対象として、トランスジェニックを作製するためのDNA溶液の注入、ES細胞キメラを作製する胚盤胞へのES細胞の注入および、精子から個体復元を行うための顕微授精の自動化・電動化を実現致しました。本セミナーでは、これらを対象とした総合胚操作システムの紹介を致します。

◇ 「創薬に関わる大手製薬企業とベンチャー企業のグローバルな連携」
  レミジェス・ベンチャーズ株式会社 稲葉 太郎

依然克服されていない疾病は数多く存在し、多くの領域で新薬の開発が切望されております。一方新薬の開発を巡る環境はその厳しさを増しており、イノベーションを生み出す新しい形態が求められております。ユニークなアイデアや取組を生み出す人材を適切にサポートし、きめ細かくニーズを満たす新薬が病に苦しむ患者さんに広く使われるようになるべく、リスクを最適化しつつ商業化を進めていくための新しい仕組みの必要性が高まっています。このような状況の中、大手製薬企業、大学、ベンチャー企業、ベンチャーキャピタル、患者団体間の連携はその重要性を増しています。本講演では創薬イノベーションに関わるこれら組織による新しい取組みや、各国の貢献について整理した上で、大手製薬企業によるイノベーション外部化に関する取組、新薬開発ベンチャー企業の現況を紹介し、また組織の垣根や国境を越えた取組の加速とその重要性について整理したいと思います。またこれら連携の今後についてご参加の皆様と共に議論したいと思います。

◇ 「再生医療の産業化について」
  株式会社日立製作所 荒木 由季子

最近の再生医療関連技術の革新や昨年11月の再生医療関連法案の施行などを背景に、再生医療分野に多くの内外の企業が参入してきています。しかしながら、2020年以降に、再生医療関連市場が大きく立ち上がるとの予測が現実化するためには、まだまだ多くの課題を解決していくことが必要です。
主なる課題は、再生医療にふさわしい規制の実現と、再生医療を必要とする患者が適切な負担でそれを受けられるようにするため経済性の向上です。
規制については、まもなく、新たな規制法下で認可を受ける再生医療製品が出てきますが、その事例が先行例となり、今後、事例の積み重ねが必要です。

  一方、再生医療製品については、保険収載されているものもありますが、残念ながら、再生医療製品を事業として持続的に生産していくような状況にまではなっていません。今後、再生医療関連産業は、バリューチェーンを通して、ITなどの最先端技術の活用や標準化の推進などを通じて、安全で経済性の高い再生医療の実現に貢献していく必要があります。

◇ 「再生医療の現状と展望―細胞創薬として―」
  国立成育医療研究センター研究所 梅澤 明弘

再生医療は、機能障害や機能不全に陥った組織、臓器に対して、細胞を初めとした生物製剤及びホルモン・足場を組み合わせた複合デバイスを積極的に利用して患者の回復を図る医療です。現在、ほぼ全ての組織・臓器の再生に研究が行われており国内外で飛躍的な進歩が見られます。再生医療を支える生物製剤には、全能性を有するES細胞やiPS細胞がある一方、部分全能性を示す組織幹細胞では間葉系幹細胞が知られています。再生医療では細胞を生体マイクロデバイスとして考え、現在は骨髄、皮膚、軟骨、胎盤、脂肪、月経血を細胞供給源と考えられています。 予想を超える細胞の可塑性が次々と明らかになってきている中で、発生学、工学によって培われた要素医療技術を用いて、各種疾患に対する再生医療・細胞医療システムを完成させたいと考えております。皮膚、心臓、角膜、骨、腎臓、肝臓の機能を回復させる再生医療製品が、薬剤や医療機器とともに臨床医療に貢献することになります。また、医療・研究を実践するうえで、再生医療にかかる倫理・法令・規制が平成26年に施行されています。そのような状況の中で、再生医療に関する我が国と海外の取り組みを紹介するとともに、新たな治療スキームを専門家とともに考えて参りたく思います。

◇ 総合討論

懇 親 会  17:30~19:00          

◇ LiSE  2階 テラス

 
 
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